インフルエンザはヒトであれば誰もがかかりうる感染症ですが、特に注意が必要だとしてよく挙げられるのは子供と高齢者です。子供の場合は感染する確率が高く、感染者の中にはインフルエンザ脳症を発症する者も少なくないことが、高齢者の場合は感染する確率は子供と比較すると低い一方で、罹患した場合の死亡率が高いことが主な理由です。しかし、子どもや高齢者以外にも注意が必要な人がいます。それは妊娠中の女性です。
では、病院でインフルエンザと診断を受けた妊婦は、以後どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
まず、インフルエンザと診断された場合は必ず治療薬が処方されますが、この治療薬は妊婦もそのまま投与することができます。医薬品の中には妊婦に対しては投与量を変えたりしなければならないものもありますが、インフルエンザの治療薬に関してはそのようなことはありません。お腹の中にいる胎児にも影響はありません。ただし、母体や胎児に重大な異変が生じるリスクを防ぐためにも、診断を受けた医師の指導内容と、治療薬の用法と用量は必ず守りましょう。なお、正しく投与を続けていれば、妊婦も他の人の場合と同様に、投与開始から1週間が経過する頃には症状がほぼ改善されます。
また、妊婦は体力や免疫力が低下しているため、インフルエンザの症状が重症化しやすいといわれています。インフルエンザは重症化すると、肺炎や脳炎などといった合併症が発症する可能性があり、最悪の場合は死に至ります。重症化を防ぐためには、処方された治療薬を正しく服用するだけでなく、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠をとることや、うがいや手洗いを一日に何度もとること、室内の温度と湿度を適当な範囲に保つことなども並行して行う必要があります。